耐震性能について
- 憲正 久松
- 5月8日
- 読了時間: 2分
耐震性能についての自分の勉強を兼ねた覚書です。
■ 耐震等級
地震に対する構造躯体の強さの基準です。
等級は1~3があり1が最低基準(=建築基準法の基準)となります。
■ 耐風等級
暴風に対する構造躯体の強さの基準です。
等級は1~2があり1が最低基準(=建築基準法の基準)となります。
■ 接合金物
地震時や台風時に建物に水平力がかかると、接合部に大きな力がかかります。
柱には大きな引き抜き力が働きますのでこの力を計算し、これに対抗できるよう柱頭と柱脚に金物を取り付けます。
また、筋交いの端部には強さに対応した金物を取り付けます。
■ 耐震・耐風等級1(=建築基準法の基準)をとるためには
存在壁量 > 必要壁量
となるように地震と風について各階、各方向についてすべて確認します。
建物全体の壁量と建物を4分割した各エリアの壁量を確認します。
存在壁量 :実際にある耐力壁(筋交い等がある強い壁)の量
必要壁量(耐震):床面積に建物の仕様により決まる係数をかけて算出
必要壁量(耐風):風を受ける面積に対して決まった係数をかけて算出
■ 耐震等級2、3、耐風等級2をとるためには
存在壁量 > 必要壁量
となるようにします。
必要壁量を求めるための係数が大きくなるためより多くの耐力壁が必要になります。(それだけ建物が強くなります)
平均存在床倍率 ≧ 必要床倍率
となるように地震と風について各階、各床区間、各方向についてすべて確認します。
平均存在床倍率 :区画ごとの存在床倍率の平均
存在床倍率 :実際に存在する水平面の強さ(屋根、床、火打)
必要床倍率(耐震):建物により決まる数値や地震係数などにより算出
必要床倍率(耐風):建物により決まる数値や風圧係数などにより算出
■ 目指すべき耐震性能は…
最高等級である耐震等級3や耐風等級2をクリアするためには耐力壁の増大によるコストアップや設計上の制約がでてくるのですが、思いもよらない大地震や台風を目にすることが多い現代の状況ではやはりここを目指すべきだと思います。
合理的な設計を行いコストをできるだけおさえながら制約を感じさせない設計をするのが建築士の腕の見せどころでもあるわけですからね… (^^)