設計事務所にする理由
- 憲正 久松
- 6月15日
- 読了時間: 3分
更新日:6月16日
ハウスメーカーや建設会社に依頼するのと違い施工から切り離された設計事務所でなければできないことがあります。
設計事務所に依頼するメリットをいくつかあげてみますので依頼先を迷っている方は参考にしてください。
01 設計事務所のノウハウが詰まった図面がある
ハウスメーカーや建設会社の場合は両手で(場合によっては片手で)数えられる程度の図面で家をつくっているところが多いように感じます。ある程度標準化されているからそれでも大丈夫なのかもしれませんが、それではこだわった家はできないように思います。
一方、私たちが設計図を作るとかなり多くの枚数になります。(標準的な木造2階建ての住宅でA3の図面が50~70枚ぐらいになります)意図した建築をつくろうとするとどうしてもそれぐらい必要になってしまいます。
つまり、設計事務所のノウハウが詰まったしっかりした図面で家づくりを行うことができます。
02 しっかりした対応ができる
普通に考えてハウスメーカーや建設会社のスタッフである設計者や外注された設計者はその会社の標準的な設計と違うことはできないし、見積りに口をはさむようなことはないし、仮に現場で不具合があってもそれを指摘することはできません。(その前に現場にはほとんど行かないと思いますが)そんなことしたら首になっちゃいます。
施工から切り離された設計事務所に依頼された場合は第三者(施主さんの代弁者)として、見積書の内容や契約条件のチェック、工事に手抜きはないかなどのチェックをしっかりすることができます。
03 適切なお金の使い方ができる
ハウスメーカーや大きな建設会社では、多くの営業マンが働き、テレビや新聞等に大々的にCMをうち、住宅展示場に立派なモデルハウスが建っています。これらにかかる費用は莫大なものになりますが、すべて工事費の中に含まれていて、依頼しなかった人はもちろんただなのですが、依頼した人はその分も払っています。
これらの費用は会社が仕事をとるために使われるもので、家を造るために使われるものではありません。
一方、設計事務所が広告などに使う費用は微々たるものですからほとんどが純粋に家を造るために使われると考えてよく適切なお金の使い方ができると思います。
04 見積り内容が適切かチェックできる
ハウスメーカーなどの見積りを見せてもらうことがありますが、建築工事費○○万/坪と書かれていて、これが結構安く表現されている反面、その他にいろいろな名目で多くの金額が計上されていて合計するとかなり高くなっていることが多いです。
安く見せるためにこのようなことが行われるのですが、見積もりの内容をしっかりチェックして適切であるかを判断する必要があります。
05 設計料を払っても高くはなりません
設計事務所に頼むと設計料がかかるので高くなると思われている方がいると思いますがそうではありません。
建築工事費の中でもっとも大きくかわってくるのは経費(いいかえればその会社の儲け)で、ざっくりいうと建築工事費は実際つくるのにかかる原価に経費を足したものになり、一般的には、
ハウスメーカーなどの場合
建築工事費=原価+経費(原価の25~30%程度)
設計事務所が建設会社に依頼した場合
建築工事費=原価+経費(原価の10~15%程度)
これに設計料10%程度を加えてもおなじくらいになる
ということになります。
なぜ設計事務所が依頼するところは経費が少ないかというと、そういうところにしか頼まないからです。
大きな会社は大量仕入れで建材などが安く入るとか職人さんを安く使えるとかいわれていて、これはおそらくそのとおりなのでしょうが、そこで安くなった分よりはるかに多くの経費がプラスされていると思います。